YouTube視聴
王道SF
考察が楽しいタイムトラベルもの
ざっくり映画評価
SF ★★★★☆
考察 ★★★★☆
総評 ★★★★☆3.6
深手を負ったエージェントがタイムトラベルする意味深なシーン。
酒場を舞台にバーテンダーと青年の会話が始まる。
段々すべての点と点が結びついていく…
観始めたら物語にのめりこむこと間違いなし:)
無料公開期間中に是非視聴を!!
SFもの大好きなこつめくんのリクエストで視聴を決定!
しかもYouTubeで映画が無料で観られるなんて…。
私は良い時代に生まれました。
【プリデスティネーション】日本語では運命・宿命といった意味ですね。
これ映画観るとわかるんですけどかなりネタバレに近いです。
ニューヨークの寂れた酒場でバーテンダーにとある青年が身の上話を打ち明ける。
そこから物語が大きく動いていくのですが、これが頭を使う。
青年の回想話と冒頭に深手を負ったエージェントのシーンが頭をチラつきぐるぐると頭を働かせながら観る映画です。
また、この青年のセクシャルのこともあり一概にただのSFというわけではないことも作品として魅力が高まっているなと感じました:)
✍ロバート・A・ハインラインによる短編小説『輪廻の蛇』が原作です。
映画概要
◇題名
プリデスティネーション(2014)1時間37分
◇配信元
YouTube 期間限定無料公開
プレシディオチャンネルにて
映画配給会社(株)プレシディオのYoutubeチャンネルです。SF、アクション、ホラー、ドラマなど、幅広いジャンルのオススメ映画を紹介します!
【公式】プレシディオチャンネル – YouTube
他にもおもしろそうな無料公開映画がありますので要チェックです!
◇監督・脚本
マイケル・スピエリッグ & ピーター・スピエリッグ
◇出演者
イーサン・ホーク、サラ・スヌーク、ノア・テイラー、フレイヤ・スタッフォード
◇あらすじ ※ここにはネタバレありません。
酒場に訪れた青年は、バーテンダーに自らの身の上を語り始める。その話に同情したそぶりを見せたバーテンダーは彼に復讐のチャンスを与えると提案。戸惑う青年をよそに機械を使用し二人は七年前へとタイムトラベルする。実はバーテンダーは未来から来た時空エージェントだったのだ。彼は連続爆弾魔ボマーの犯行阻止を最後の仕事とし、自分の後任として酒場を訪れた青年ジョンを据えようとしていた…。
タイムと名のつくSFキーワード
タイムトラベル
タイムマシンなどの機械を使って過去・未来の時間軸を自由に移動すること。
⇒タイムパラドックス
タイムマシンなどの機械を使って過去へ戻ることで矛盾が生じる瞬間のこと。
タイムワープ
宇宙空間をひずませることにより、超高速で時間を移動すること。
タイムループ
決まった開始時点から同じ時間・期間を何度も繰り返すこと。
タイムスリップ
現実の時間や空間から過去または未来の時間軸に瞬時に移動すること。
タイムリープ
自身の意識のみが時間を超えて移動し、過去や未来の自分の身体にその意識が乗り移ること。
※上記は諸説あります。ご了承ください。
今作の見どころ ※ネタバレあり
キーワードは時空エージェント&タイムトラベル
主人公は、時空を渡りながら様々な事件を解決する組織のエージェントです。
時空を渡ることは心身ともに負担も大きく、この世界ではエージェントになるためには様々な試験を超えられなければなりません。
現在主人公は連続爆弾魔ボマーの爆破による大量殺人を食い止めるために暗躍しています。
考察の楽しさ
この作品、時系列整理しないと難しいので以下にまとめました。
ジェーン(サラ) | ジョン(サラ) | ジョン(イーサン) | |
1945.09 | ジェーンは孤児院前に捨てられた | ジョン(イーサン)は誘拐したジェーンの子どもを孤児院前に置くために1964年からタイムトラベル 1963.04にタイムトラベル | |
ジェーンは頭もよく腕っぷしも強かった | |||
ジェーンは宇宙へ行きたいと採用試験に挑戦 ⇒身体検査にて両性有具者であることが発覚 本人にはこの事実が知らされず 不採用という結果が通知される | |||
1963.04 | ジェーンの初恋 相手はある日突然姿を消す | ジョンとバーテンダーが1970.11からタイムトラベル そこでジョンはジェーンと出会い恋をする ジョンは自身の人生をめちゃくちゃにした男は自分自身だったのだと知る | ジョン(イーサン)はジョン(サラ)とジェーンを引き合わせるため1970.11からタイムトラベル その後1970.03へタイムトラベル |
ジェーンはロバートソンに航時局にスカウトされる 初恋相手との子どもを妊娠していることが発覚 スカウトは白紙となる | ジョンは自分の宿命を理解し、バーテンダーの男の後継者として時空エージェントとなり数々の事件を解決していく | 1945.09からタイムトラベルしたジョン(イーサン)は、ジョン(サラ)を連れて1985年にタイムトラベルする | |
1964 | ジェーンは難産ではあったが子ども(女)を出産 同時に医師に両性有具者であることを伝えられる 今後は手術を続けなければならず、自身が男性の身体になっていくことを知る ある日、病院から子どもが誘拐される | ジョン(イーサン)は、ジェーンの子どもを誘拐し、1945.09へタイムトラベル | |
ジェーンは男性の身体となり、ジョンと改名 女性雑誌でライターの仕事を始める | |||
1970.03 | ジョンは爆弾魔ボマーの犯罪を防ぐべく、ビルの地下へ 爆弾は止められたが爆弾魔ボマーを取り逃がす 顔や首に大火傷を負った状態で1992へタイムトラベル | 航時局違法ジャンプ 1963.04⇒1970.03 爆弾魔ボマーを捕まえようとするも失敗 この世界線でもジョン(サラ)は顔や首に大火傷を負い任務失敗に終わる 1964にタイムトラベル | |
1975.01からタイムトラベルしてきたジョン(イーサン)は爆弾魔ボマーに挑むジョン(サラ)にメッセージを残す その後、ジョン(イーサン)は1975にタイムトラベル | |||
1970.11 | ジョンは偶然入った酒場でバーテンダーの男に身の上話を語る | ジョンは酒場のバーテンダーとして青年ジョンの身の上話を聞く | |
ジョンの話を聞いていたバーテンダーに自身の人生をめちゃくちゃにした初恋の男に復讐しないかと持ち掛けられる ジョンはバーテンダーの男とともに1963.04へタイムトラベルする | ジョンは青年ジョンとともに1963.04へタイムトラベルする | ||
1975.01 | すべての任務完了しジョン(イーサン)は余生をニューヨークで送ろうと1985年からタイムトラベルしてきた タイムマシンにパスワードを入力したがエラーとなり機能が停止しない。※すべての事件が解決するとタイムマシンの機能が停止する設定 ジョン(イーサン)は1970年にタイムトラベル | ||
1970からタイムトラベルしてきたジョン(イーサン)は、爆弾魔ボマーが爆弾をしかけたコインランドリーへ向かう。 【真相】 そこでジョン(イーサン)が出会ったのは未来からタイムトラベルしてきた自分(おじいさん姿のイーサン)だった。 爆弾魔ボマーが自分だと知ったジョン(イーサン)は未来からきた自分(おじいさん姿のイーサン)を殺した。 その後、ジョン(イーサン)は爆弾魔ボマーとなる…はず…。 | |||
1985 | ジョン(サラ)はジョン(イーサン)とともに1963.04からタイムトラベルしてきた 航時局エージェントとしてデビューし活躍していく。 | 1963.04からジョン(サラ)とともにタイムトラベルしたジョン(イーサン)は余生を送るために1975.01へタイムトラベル | |
1992 | ジョンは顔や首に大火傷を負ったため、整形と声帯の手術を行った ジョンは後継者への引継ぎをするべく1970.11へタイムトラベル |
表にまとめても頭こんがらがってきた…
この表からわかること、それは…。
ジェーン、ジョン、ジェーンの子、爆弾魔ボマーは、すべて自分だったということ。
さすがに自分とS〇Xしないでしょ!!
という、こつめくんの予想は当たらず…。
すべて自分でした:)
こんなことって…、あるんだ…:)
プリデスティネーションの意味
では、原点回帰。
本作の題名でもあるプリデスティネーションとはどんな意味でしょう。
プリデスティネーション⇒前から定められていた運命
訳し方にもよりますが…。
だいたいこんな意味です。
ということは、やはりジョン(イーサン)は爆弾魔ボマーとなってしまうんでしょうかね。
私はそうやって繰り返されていく…、ということだと思いました。
みなさんどう思いました?
いろいろな感想を見てみたいです。
爆弾魔ボマーがジョンに言ったこと
爆弾魔がジョン(イーサン)と話すシーン
ジョン(イーサン)がまだ知らない、どうしてタイムマシンがエラーとなったのか。
お前は航時局の手のひらで踊らされているんだよ、といった趣旨の爆弾魔の発言。
これから知り得ることでジョン(イーサン)が爆弾魔ボマーとなるのを示唆しているのかな、と。
その他にも爆弾魔ボマーはジョン(イーサン)の未来を語ります。
例えば今いい雰囲気の女性は一緒に住むと飯もまずいし…のような非常に具体性を帯びた未来の話です。
やはり爆弾魔ボマーが現在のジョン(イーサン)の成れの果てなのかな…。
ジョンはどうして爆弾魔となってしまったのか※ドンぐりの考察
また、爆弾魔ボマーの狂言ともとれる『自身は多くの命を救っている』という正義への固執。
おそらくジョンであり爆弾魔ボマーである彼は、タイムトラベルする中で多くの凶悪犯罪や多くの死と対峙し、それを未然に防ぐために過去や未来へと頻繁にタイムトラベルをしていたんだと思います。
ジョンの担当医からも、ジョンは他のエージェントよりも圧倒的に多くの時間を移動していると指摘されており、タイムトラベルの回数が増えると精神異常が起きることも作中で表現されていました。ジョンの診察結果にもすでに【精神状態:軽度の異常】のような結果が出ていました。
ジョンの精神がおかしくなったのは確かだと思います。
彼は誰よりもタイムトラベルし多くの事件を解決してきました。
その中で過去を変えることで起きてしまうより凶悪な犯罪。所謂、タイムパラドックス的なものも発生してきたんじゃないかな、と。
そうなってくるといたちごっこですよね。
こっちを解決して、未来に戻ると別の事件により死傷者が出ていた。すべてを解決することなんて無理な話。
そんな中でジョンは少しずつコワれていったのかな。
より大きな犯罪を止めるために、爆弾魔になってしまった。
タイムトラベルした彼しか知らないんだよ。起こったかもしれない犯罪や、その被害の数々は…。
切ないね。
本当に起こったかもしれない犯罪よりも被害者は少ないのかもしれません。
でもそれは”ジョン”にしかわからないんですよね。
ジョンの生い立ちを振り返るとこんな悲しいことってないよ…。
もうジェーンとジョンで二人幸せに暮らせばいいのに…涙
航時局なんてほっとけ!!
そう思いましたね。
でも無理なんでしょうね。
ジェーン・ジョンの性格は正義感に溢れ一本筋があります。また、頭脳も明晰。やはり何かに向かって頑張っちゃう子なんだよね。ワタシ…、応援する…。
ジョン(イーサン)となるまでの過程がすべて自分自身によるものとなっている。
ということはやはり爆弾魔ボマーもその先の未来のジョンであるため、きっと爆弾魔ボマーとなる要因がその後に待っているんだろうな、と。
プリデスティネーション…、前から定められた運命なんですね:’-(
以上、ドンぐりでした。
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