実写映画『ネムルバカ』の主題歌である、映画タイトル同名『ネムルバカ』の歌詞は、二つの視点から深いメッセージを伝えています。
一つは、「眠るバカ」として描かれる入巣の存在。もう一つは、「ネムル」として表現される、夢を追い続けるルカ自身の姿です。
映画の感想やSNSでの声、また原作と映画版の違いにも触れながら、ルカ先輩と入巣の関係性、夢と現実が交錯する映画の世界観がどのように歌詞に反映されているのかを探ります。
映画ネムルバカの歌詞に込められた思いとは?
歌詞の背後にあるストーリー
この歌詞は2つの視点から読み解くことができると思っています。
- 1つ目→眠るバカ=入巣であり、ルカ先輩視点の入巣。かつ入巣へのメッセージ。
- 2つ目→ネムル=『夢を見ている』バカとして、夢を追い続けているルカ先輩自身を表している。
歌詞は誰がつくったのか?
ネムルバカの歌詞は原作者の石黒正数先生が作詞しています。原作にも『ネムルバカ』の歌詞が一部登場します。
ネムルバカ感想
映画を見た感想
私は、原作未読で映画を鑑賞しました。そんな私でも楽しめる映画でした!
女子大学生の等身大の夢と現実、日常の物語。ルカ先輩と入巣の関係性の尊さが特に胸に響きました。
鑑賞後に原作を読みましたが、原作との違いを含めてもう一度鑑賞したくなる…そんな作品でした!
曲の印象
これは原作ファンも納得の曲になっていたのではないか、と思います。イメージと違う…というようなマイナスな印象は一切受けませんでした。特に、映画版ではピートモスを深堀している構成になっていたので、より、『ネムルバカ』という曲に没入できました。
SNSでの口コミ
ネムルバカの曲良すぎてずっと聴いてる pic.twitter.com/wEtchOzbFp
— 夕景 (@0123456789ab_uk) March 21, 2025
『ネムルバカ』観た。原作からの変更・カット箇所が絶妙で破綻は一切感じられないの凄い。ライブシーンは映画という利点を最大限に活かして最高にイカしてた。ルカと入巣に会わせてくれて、ピートモスの楽曲を聴かせてくれて、あの楽し恥ずかし痛し青春を追体験させてくれてありがとうの感謝の気持ち。 pic.twitter.com/57TQxYWhne
— ブルーD03 (@k7fUu9QxIu11689) March 24, 2025
「ネムルバカ」観ました。脚本はかなり原作に沿ったものでした。ちょっと古いマンガなので、現在にアップデートしつつ、若干のアレンジをくわえてるという感じ。ピートモスのライブの曲がどことなく戸川純ふうみなところに原作へのリスペクトを感じました。ナビ子が石黒先生の絵だとなおよかった。
— Masaya Takada (@muy_2) March 20, 2025
考察―『ネムルバカ』の歌詞から読み解くルカの想いと、二人の関係性
朽ちかけた木の窓枠
実写映画ネムルバカより
埃っぽい甘い匂い
輪郭がぼけてしまいそう
まとわりつく春の空気
これは、女子寮に引っ越してきた当初の鯨井ルカの描写だと推測する。
夢を担いで 立ってみたものの
足元がてんでおぼつかない
靴を履いて外へ出てみたものの
地図はあんまりにも頼りない霧の中を歩く、 歩く、 歩く、
実写映画ネムルバカより
わからないまま
折り合い付けてまっすぐ進むか
開き直って歌おうか
音楽を生業にするという夢(指標)はあるが、まっすぐ溌溂に夢を追うことができず、夢と現実の間で不安を感じている鯨井ルカの心象描写だと推測。
ビールの栓は開けてるから
菓子の袋積んで
不毛な会話して
過ごしていた曖昧な夜報われてくれ…
実写映画ネムルバカより
報われてくれ…
夢を追いつつも、現実はなんら変わらない。
『報われたい』=夢を叶えたい、という鯨井ルカの強い想いを感じる。
散らかった服 化粧品
実写映画ネムルバカより
アルコール甘い匂い
僕の部屋に住み着いた猫
誘われてウトウトしてる
猫=入巣柚実のこと。番外編『春香と父さん』では、寮で一人で生活を始める心細そうなルカの姿が描かれていた。その後、入巣柚実が鯨井ルカの相部屋となり、ルカは、入巣との生活を心地よく感じていると推測できる。
旅路は更に迷走を極め
実写映画ネムルバカより
目的にてんで近づかない
夢を追い続けることと、今のぬるま湯のような心地よい生活の間で揺れ動く鯨井ルカの心を表現。
剣を抜いて構えてはみたものの
実写映画ネムルバカより
振り下ろす敵がいやしねえ
バンドを組んでライブはしているが、自分の本当の夢には届かない。(音楽を生業とする、という夢)
魔物、 化け物、 ヒーロー、 悪党
実写映画ネムルバカより
僕は何でもないまま
あんまり時間もないみたいだから
寝顔に聞いているんだよ
何者にもなれていない鯨井ルカ自身を表している。
時間もない、というのは、夢を追い続けることに対する現実的なリミットが近づいていると推測。
寝顔に聞いているのは、ルカが起きている入巣には伝えられない、でも伝えたい、というもどかしい想いを表現。
感覚が鈍ったままで
実写映画ネムルバカより
僕の指が触れる
柔らかくて純粋な
もの……
これは、眠っている入巣に触れているルカの描写を想像した。
※原作に、ルカが入巣を抱き締めて「なんだ 思ったより やわらかいんだ」と言うシーンがあることからも、柔らくて純粋なもの=入巣のことと推察できる。
異なる見方をすると、柔らかくて純粋なもの=ルカの夢として表現しているようにも考えられる。
いずれも、ルカにとっては何ものにも代えがたいものである、ということだろう。
ネムルバカ
実写映画ネムルバカより
ボクはまだ大丈夫?
答えづらいだろうから
今聞いているんだよ
ネムルバカ ボクはまだ大丈夫?
これは、眠っている入巣にルカが問うシーンと、自分自身をネムルバカと称し大丈夫なのか?という自問自答を表現している。
それ以下は、入巣にルカが問うている。
もし僕が食べようとした
まんじゅうに毒があったら
お前が教えてくれ
頼むぞおい! ネムルバカ答えてくれ…
実写映画ネムルバカより
答えてくれ…
この僕は鯨井ルカであり、お前は入巣柚実。
ルカが間違った選択をしそうになったら入巣が教えてくれというメッセージ。
映画内でのルカと入巣は、入巣がルカに頼っている描写が多かったが、最後の歌詞でルカにとっての入巣もどれだけ大きな存在だったかがわかる。
この歌は、ルカであり入巣でもある。二人が揃わなければ決して生まれなかった曲だ。
主題歌『ネムルバカ』歌詞
作詞 石黒正数
作曲・編曲 朝日(ネクライトーキー)
歌 平祐奈 as 鯨井ルカ
朽ちかけた木の窓枠
埃っぽい甘い匂い
輪郭がぼけてしまいそう
まとわりつく春の空気夢を担いで 立ってみたものの
足元がてんでおぼつかない
靴を履いて外へ出てみたものの
地図はあんまりにも頼りない霧の中を歩く、 歩く、 歩く、
わからないまま
折り合い付けてまっすぐ進むか
開き直って歌おうかビールの栓は開けてるから
菓子の袋積んで
不毛な会話して
過ごしていた曖昧な夜報われてくれ…
報われてくれ…散らかった服 化粧品
アルコール甘い匂い
僕の部屋に住み着いた猫
誘われてウトウトしてる旅路は更に 迷走を極め
目的にてんで近づかない
剣を抜いて構えてはみたものの
振り下ろす敵がいやしねえ魔物、 化け物、 ヒーロー、 悪党
僕は何でもないまま
あんまり時間もないみたいだから
寝顔に聞いて いるんだよ感覚が鈍ったままで
僕の指が触れる
柔らかくて純粋な
もの……ネムルバカ
ボクはまだ大丈夫?
答えづらいだろうから
今聞いているんだよもし僕が食べようとした
まんじゅうに毒があったら
お前が教えてくれ
頼むぞおい! ネムルバカ答えてくれ…
実写映画『ネムルバカ』より
答えてくれ…
まとめ
以上、歌詞に込められた二つの視点から考察してみました。実写映画『ネムルバカ』は、ルカ先輩と入巣の繊細な関係や、夢と現実の狭間で揺れる大学生の不安定な心情を余すところなく描き出し、鑑賞後の余韻を深める作品です。原作との違いや映画ならではの表現にも新たな魅力があるので、「もう一度観たくなる」そんな不思議な引力を持った作品です!今回の考察、いかがでしたでしょうか?みなさんの考察も気になるところです。
以上、ドンぐり&こつめくんでした。
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