トランスジェンダーとは?基本の入門ガイド

雑記-トランスジェンダー

近年、性の多様性についての認識が広がる中で「トランスジェンダー」という言葉が広く知られるようになりました。しかし、まだまだ誤解や偏見も多いのが現状。かくいう私も恋人がトランスジェンダーであったことをきっかけにいろいろと情報を調べ始めたというのが正直なところです。この記事では、トランスジェンダーについて基本的な知識を7つのポイントに分けて解説します。


1. トランスジェンダーとは?

トランスジェンダー(Transgender)とは、生まれたときに割り当てられた性別(戸籍上の性別)と、自分が感じている性別(性自認)が一致しない人々を指します。例えば、出生時に「男性」として割り当てられたけれど、自分自身を女性として認識する場合などが該当します。
トランスジェンダーという言葉は非常に広い概念を含んでおり、各個人の経験やアイデンティティは多様です。そのため、一人ひとりの背景や思いを尊重する姿勢が重要とされます。
また、彼らの多くは、社会的、身体的な変化を通じて自分らしい生き方を追求していますが、必ずしも全員がホルモン療法や手術を選択するわけではありません。


2. 性自認と性的指向の違い

トランスジェンダーを理解するうえで混同されやすいのが、「性自認」と「性的指向」です。これらは別々の概念であるため、区別して考える必要があります。

  • 性自認: 自分自身がどの性別であると感じるかという自己の認識。例→「男性」「女性」「ノンバイナリー」など。
  • 性的指向: 誰に対して恋愛感情や性的な魅力を感じるかということ。例→「異性愛」「同性愛」「両性愛」など。

つまり、トランスジェンダーであることは、性的指向とは直接関係がありません。たとえば、トランス女性(生まれたときは男性として扱われたが、自分を女性と認識する人)が男性を好きであれば異性愛者、女性を好きであれば同性愛者と表現されます。

このように、性自認と性的指向はそれぞれ独立したものです。


3. トランスジェンダーの人々が直面する課題

トランスジェンダーの人々は、社会的な偏見や差別に直面することが少なくありません。
その一部を以下にご紹介します。

1. 偏見や差別

多くのトランスジェンダーの方々は、社会的な偏見や差別に苦しんでいるケースがあります。
職場や学校でのいじめ、不適切な扱い、または家族や友人からの理解不足など。

2. 法的・制度的な問題

日本では、性別変更に関する法律や手続きが存在しますが、その条件には厳しい要件が含まれる場合があります。
たとえば、戸籍上の性別変更には医療的な介入(手術など)が必要とされること。
多くの人にとって心理的・経済的な負担となっているようです。

3. 医療へのアクセス

性別適合手術やホルモン療法を希望する場合、それらにアクセスするための情報や経済的支援が不足している場合があります。また、医療従事者の中にもトランスジェンダーについて十分な知識を持っていない人がいる場合もあるため、不適切な対応を受けることもあります。

上記は、あくまで一部ですがこれらの課題に対して、社会全体で理解を深めることが求められています。


4. トランスジェンダーの法的権利

日本では、2004年に施行された「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(通称「性同一性障害特例法」や「性同一性障害者特例法」)により、一定の条件を満たすことで戸籍上の性別記載の変更が可能となっています。しかし、その条件には手術の要件や未婚であることなど厳しい制約があり、多くのトランスジェンダーの人々にとってハードルとなっています。
以下が実際に法律に記載されている性別記載の変更要件です。

一 20歳以上であること。
二 現に婚姻をしていないこと。
三 現に未成年の子がいないこと。
四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 第3条より抜粋


5. トランスジェンダーと医療

トランスジェンダーの人々が医療機関を利用する際には、適切な対応が求められます。
ホルモン療法や性別適合手術を希望する場合、それに対応できる医療機関を探す必要があります。
また、一般的な診療でも、自身の性自認を尊重した対応を受けられるかどうかが重要です。医療従事者側の理解と教育も進められるべき課題となっています。


6. トランスジェンダーの社会的包括

トランスジェンダーの人々が安心して暮らせる社会を実現するためには、多様性を尊重する文化を育むことが必要です。職場や学校でのLGBTQIA+に関する教育やポリシーの導入、公的サービスでの対応改善など、多方面で取り組みが進められるべきです。また、個人としても「よく知らないから怖い」という感情ではなく「知ることで理解しよう」という姿勢を持つことが大切です。

頭文字日本語意味
Lレズビアン女性→女性の性的指向がある人
女性同性愛者
Gゲイ男性→男性の性的指向がある人
男性同性愛者
Bバイセクシャル女性にも男性にも性的指向がある人
両性愛者
Tトランスジェンダー性自認と身体の性別が一致していない人
Qクエスチョニング性別や性的指向について模索中の人
Iインターセックス性分化疾患を持つ人
生物学的に典型的な男性・女性の特徴を持たない人
Aアセクシャル誰にも性的指向を抱かない、または、性的指向が非常に希薄な人
個々によっては恋愛感情を抱く場合あり
+プラス上記に当てはまらないその他の多様な性

7. トランスジェンダー当事者の声を聞くことが大事

最後に、トランスジェンダーについて理解を深めるためには、当事者の声をきくことがとても重要です。
彼らがどんな経験をしてきたのか、どのようなサポートが必要なのかを直接聞くことで、より具体的なイメージを持つことができます。SNSやブログ、本などで当事者自身が発信している情報も参考になります。
私は、「LGBT専門医が教える心・体そして老後大全」監修:針間克己先生がとても参考になりました。
わかりやすく理解でき、Q&A形式で知りたいことに手が届くような本でした。


終わりに

トランスジェンダーについて知ることは、多様な人々が共生する社会を築くための第一歩です。
この記事で紹介したポイントをきっかけに、自分自身の理解を少しでも深めていただければ嬉しいです。
私も少しずつでも勉強を続けていこうと思います!

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